being on the road...途上であること

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2004年 12月 23日

サヨナラ サイトー

初めてご覧になった方は前編中編を先にご覧ください.
これは後編です.




「加害者の方ですか?」という,受付の無情さを呪いながら,外来に向かった.

外来の前で僕を待っていた看護師さんが「もうすぐ診察が終わりますので,お待ちください」と言うので,僕は外来の診察室の前の椅子に腰かけ,サイトーの診察が終わるのを待った.

僕は待った.

20分くらい経っただろうか?

待っている時間というのは辛い.

忙しいときには考えもしないような不安な思考が浮かんでくる.

「もしかして,サイトーは重傷なんじゃないか」と怪しんだりもした.

次第に僕は居ても立っても居られなくなり,立ち上がって「長いこと職場を空けられない」ことを理由に帰ろうとしました.

今思えば,その場から逃げ出したかったのかもしれない.

そして,数歩,歩き出してふと後ろを振り返ると,そこには診察室から出てきたサイトーが立っていたのです.

サイトー:「ハセガワさん,来てくれたんですね,ありがとうございます!」

ハセガワ:「サイト-,大丈夫か!?」

サイトーは顔と腕,足に傷を負い,若干足を引きずった状態ながらも,僕の訪問を喜んでくれました.

サイトー:「まだ,傷口を消毒して,レントゲン撮っただけなんです.頭を車のフロントガラスにぶつけたので,一応MRIは今から撮ります.」

ハセガワ:「そうか,軽い怪我で済んでよかったな.安心したよ.」

サイトー:「自転車は変形してしまって,もう乗れませんよw.あと,見てくださいよ,このメガネ.すごいでしょ?」

ハセガワ:「よ,よく生きてたな,オイw.」

サイトーがいつもかけているメガネは原型をとどめることなく破壊されており,事故の悲惨さが伝わるものでした.

まだ,MRIの結果こそ出ていないものの,僕にはサイトーの怪我ががそれほどひどくない外傷で済んだことに喜びました.

10分間ほど話したでしょうか.

僕は戻らなければなりません.

ハセガワ:「そろそろ,行くわ.職場のみんなにはには『安心しろ』って言っとくから,MRI撮ったら一度,顔出せよ.」

サイトー:「はい,ありがとうございました!また後で.」



病院からの帰り道,僕は喜んでいました.

よかった,本当によかった.

大きな事故じゃなくてよかった.

傷が浅くてよかった.

サイトー,生きててよかった.



職場に戻り,上司にサイトーの怪我の状態を報告し,互いによかったよかったと胸をなでおろしました.

僕が帰ってから1時間もしないうちにサイトーはMRIを終えて職場に戻ってきました.

みんなに「サイトーさん,よかったですね!」とか言われているのを横目に見ながら,僕もまた,その喜びを共有していたのです.


それから,数時間後・・・・




サイトー:「ハセガワさん・・・」

ハセガワ:「ど,どうした,サイトー?」

サイトー:「腹が・・・」



くそ!サイトーのやつ,事故の時に腹まで打ってたのか!?

ヤバイな,すぐに救急車呼ばないと








サイトー「腹が・・・






腹が減りました.

焼肉に連れてってください,ハセガワさんのおごりで♪」



ハセガワ:「ステキなオチをありがとう」





めでたしめでたし
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by beingontheroad | 2004-12-23 16:50 | メイン(仮)


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